「ウルトラ回収率」の実験/06

　ここまでの実験では、TARGETの出馬表分析の抽出処理を用いて、「裏技」ひとつひとつについて、ちまちま該当する馬を検索していたが、これはいかにも面倒。
　いろいろ検討した結果、不完全ながら何とかこの手順を自動化することが出来た。
　これにより、30分以上かかっていた抽出作業を、20秒ほどで終えることができるようになった。
　以下に、自動化までの環境構築の手順を記す。

• 「PC-KEIBA Database for JRA-VAN Data Lab.」の導入
• 「A5:SQL Mk-2」の導入
• SQLを書く
• 2011/01/14提供データの検索結果

「PC-KEIBA Database for JRA-VAN Data Lab.」の導入

　結局は、TARGETと同じような、JRA-VANのデータを検索できる環境を構築することになる。JV-Link（JRA-VANからデータを引っ張ってくるアプリケーション）はTARGETと共用するため、こちらの環境もWindows上に構築することになるが、これには、「PC-KEIBA Database for JRA-VAN Data Lab.」を用いることにした。こちらのページからダウンロードしてきたファイルを実行し、手順にしたがってインストールするだけ。
　データベースはSQLite（デフォルトのまま）。
　JRA-VANのデータのセットアップ手順等も、PC-KEIBAのウェブサイトの指示どおりに行えば問題なし。

「A5:SQL Mk-2」の導入

　PC-KEIBAのウェブサイトでは、SQLエディタの例として「Common SQL Environment」が取り上げられ、スクリーンショットが表示されているが、私の環境（Windows7 64bit）ではインストール時にエラーメッセージが出てなんだか気持ち悪いので、「A5:SQL Mk-2」の方を使うことにした。
　予めSQLite用のODBCドライバをインストールした後、「A5:SQL Mk-2」をダウンロード、インストールするだけ。

SQLを書く

　PC-KEIBAのウェブサイトにサンプルとして示されているSQLのコードを参考に、それぞれの「裏技」をSQLで表現してみる。SQLなんか書いたことがないので拙いものだが、例えば「裏技」22の「中山ダートで、父がスウェプトオーヴァーボード、かつ牡馬」は以下のような感じ。

---- 裏技22
SELECT
  '' AS URAWAZA_TANSHO
, '22' AS URAWAZA_FUKUSHO
, DATE(RA.KAISAI_NENGAPPI) AS NENGAPPI
, KE.CONTENT AS KEIBAJO
, RA.RACE_BANGO AS RACE_BANGO
, KS.CONTENT AS KYOSO_SHUBETSU
, KJ.CONTENT AS KYOSO_JOKEN
, RA.KYOSOMEI_HONDAI AS KYOSO_HONDAI
, RA.KYORI AS KYORI
, TR.CONTENT AS TRACK
, UM.WAKUBAN AS WAKUBAN
, UM.UMABAN AS UMABAN
, UM.BAMEI AS BAMEI
, SE.CONTENT AS SEIBETSU
, UM.BAREI AS BAREI
, UM.KISHUMEI_RYAKUSHO AS KISHU
, UM.FUTAN_JURYO AS KINRYO
, UM.CHOKYOSHIMEI_RYAKUSHO AS CHOKYOSHI
, PE.KETTO1_BAMEI AS TITI
, PE.KETTO5_BAMEI AS HAHATITI
, RA.RACE_CODE
, UM.KETTO_TOROKU_BANGO
FROM
  JVD_UMAGOTO_RACE_JOHO UM
INNER JOIN JVD_RACE_SHOSAI RA
ON UM.RACE_CODE = RA.RACE_CODE
LEFT OUTER JOIN JVD_KEIBAJO_CODE KE
ON KE.CODE = RA.KEIBAJO_CODE
LEFT OUTER JOIN JVD_KYOSO_SHUBETSU_CODE KS
ON KS.CODE = RA.KYOSO_SHUBETSU_CODE
LEFT OUTER JOIN JVD_KYOSO_JOKEN_CODE KJ
ON KJ.CODE = RA.KYOSO_JOKEN_CODE_SAIJAKUNEN
LEFT OUTER JOIN JVD_TRACK_CODE TR
ON TR.CODE = RA.TRACK_CODE
LEFT OUTER JOIN JVD_SEIBETSU_CODE SE
ON SE.CODE = UM.SEIBETSU_CODE
LEFT OUTER JOIN JVD_KYOSOBA_MASTER PE
ON UM.KETTO_TOROKU_BANGO = PE.KETTO_TOROKU_BANGO
WHERE 1 = 1
AND RA.DATA_KUBUN <= '6'
AND UM.UMABAN <> '00' -- 馬番
--
AND RA.KEIBAJO_CODE = '06' -- 中山
AND RA.TRACK_CODE = '24' -- ダート
AND PE.KETTO1_BAMEI = 'スウェプトオーヴァーボード' -- 父
AND UM.SEIBETSU_CODE = '1' -- 牡
--
GROUP BY
  RA.RACE_CODE
, RA.KAISAI_NENGAPPI
, KE.CONTENT
, KS.CONTENT
, KJ.CONTENT
, RA.KYORI
, TR.CONTENT
, UM.WAKUBAN
, UM.UMABAN
ORDER BY
  RA.RACE_CODE ASC
;

　前走の結果を参照する「裏技」については、かっこよく一発でまとめることができず、2回も3回もSQLを発行することになってしまったが、これは今後の宿題ということで。
　中山と京都に関する「裏技」31個に該当する馬を抽出するSQLはこちら。

2011/01/14提供データの検索結果

　金曜日に提供されている出馬表データから、上記SQLを「A5:SQL Mk-2」で実行し、該当する馬を抽出してみた。枠順が確定している土曜全レースと日曜メインレースについて抽出することができた。
　番号に「*」についている「裏技」は、条件としてオッズによる足切りが含まれているもので、現時点では対象馬かどうか未定であるという意味。
　また、「A5:SQL Mk-2」の出力（エクセル形式をCSVで保存）をFreeStyleWikiの表形式に変換するスクリプトも書いたのだが、変換するついでに、JRA-VANのデータに含まれているレースコードと血統登録番号をもとに、netkeiba.comへのリンクをつけてみた。レース名からのリンクはまだページが作成されていないためエラーページが表示されるが、次週以降にはリンクされるものと思う。

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