ゼファー魂
2008/06/14(土)撮影
ヤマニンゼファー産駒が出走する日には必ずパドックに現れる「ゼファー魂」の横断幕は、関東の競馬ファンにはおなじみ。
しかし、この日(2008/06/14(土))、横断幕のかかった東京競馬場では、ヤマニンゼファー産駒の出走はなかった。
なのに、なぜ横断幕がかかっていたのか?
考えられる理由は以下の二つ。
1. の場合(他場でヤマニンゼファー産駒が出走)
2008/06/15現在、中央で現役のヤマニンゼファー産駒は以下の7頭。
馬名 | 性齢 | 調教師名 | 母名 | 母の父名 | 馬主名 | 生産者名 | 収得賞金 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ニシノクイック | 牡4 | 上原博之 | ブランドピート | シルクテンザンオー | 西山茂行 | 西山牧場 | 400 | 1 | 1 | 4 | 13 |
ゴールドゲスト | 牝4 | 天間昭一 | ビーマイプリンセス | リンドシェーバー | 居城要 | 安田幸子 | 200 | 1 | 0 | 0 | 5 |
マウントキング | 牡5 | 浅野洋一 | クリムゾンレディ | ノーアテンシヨン | 中沢春吉 | 武田農場 | 200 | 1 | 1 | 0 | 18 |
プレンティスピード | 牡6 | 稲葉隆一 | プレンティブライト | ブライアンズタイム | 鈴木芳夫 | ビツグレツドフアーム | 400 | 2 | 3 | 2 | 32 |
ヤマニンパルファン | 牝6 | 佐々木亜 | ヤマニンビバーチェ | ミスターシービー | 土井肇 | 錦岡牧場 | 700 | 2 | 0 | 1 | 20 |
ウインサウザー | セ6 | 山内研二 | フォートルーラヴ | Halo | ウイン | 上島牧場 | 900 | 3 | 2 | 4 | 29 |
タケデンバトル | 牡8 | 田子冬樹 | ノースピンク | ラシアンルーブル | 武市弘 | 安藤牧場 | 400 | 2 | 4 | 6 | 54 |
ヤマニンゼファーはレックススタッドで種牡馬を続けているが、種付け数はごく少ないようで、TARGETで調べたところでは、3歳は3頭、2歳、1歳はそれぞれ1頭ずつの産駒しかいない。
3頭の3歳馬のうち、エプソムヒットはすでに中央抹消。それ以外の2頭は未出走のようで、これから中央デビューという可能性も残ってはいるが……。
1頭ずついる2歳、1歳の産駒は、両馬ともサンライトブレーヴ産駒なのだが、過去6頭のサンライトブレーヴ産駒はいずれも地方でのみ走っており、この2頭も中央デビューは望み薄。
というわけで、上の表の7頭が事実上最後の中央現役ヤマニンゼファー産駒といっても過言ではないのではないか。
数少ないヤマニンゼファー産駒をできるかぎり応援するため、たとえ他場で出走する場合でも、関東で開催中の競馬場で横断幕を出すことにしたのではないだろうか(横断幕を出している方は関東在住と思われる)。
2. の場合(母父ヤマニンゼファーが出走)
2008/06/15現在、母の父がヤマニンゼファーの中央現役馬は以下の8頭。
馬名 | 性齢 | 調教師名 | 種牡馬名 | 母名 | 馬主名 | 生産者名 | 収得賞金 | 1着 | 2着 | 3着 | 着外 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ヤマニンゲイザー | 牡3 | 星野忍 | ティンバーカントリー | ヤマニンルシダ | 土井薫 | 錦岡牧場 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
トミケンブロード | 牡3 | 加藤和宏 | ニホンピロニール | スティールウインナ | 冨樫賢二 | 白瀬明 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 |
ドンサルート | 牡3 | 鈴木伸尋 | ブラックホーク | メイショウマキバコ | 大内景子 | 日西牧場 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
バロンダンス | 牡3 | 和田正道 | スピードワールド | スピードフェザー | スピードファーム | スピードフアーム | 400 | 1 | 1 | 3 | 5 |
ヤマニントップギア | 牡3 | 中村均 | ヤマニンセラフィム | ヤマニングロッシー | 土井肇 | 廣田伉助 | 400 | 1 | 0 | 0 | 6 |
ヤマニンエレメント | 牡4 | 星野忍 | エリシオ | ヤマニングロッシー | 土井肇 | 廣田伉助 | 0 | 0 | 0 | 0 | 7 |
ドナプレミア | 牝4 | 鈴木伸尋 | スキャターザゴールド | メイショウマキバコ | 山田貢一 | 日西牧場 | 900 | 2 | 0 | 0 | 12 |
ドンクール | 牡6 | 鈴木伸尋 | ジェニュイン | メイショウマキバコ | 山田貢一 | 日西牧場 | 3370 | 6 | 6 | 5 | 15 |
これも決して多くはない。
しかし、ヤマニンゼファー産駒の繁殖牝馬の中で最高齢13歳のヤマニングロッシーやメイショウマキバコがまだ子供を出していること、2歳馬が13頭も生まれていることから、「母の父ヤマニンゼファー」という馬は、今後数年間は着実に中央デビューし続けるものと思われる。
また、メイショウマキバコ産駒で、ドンクールの妹にあたるドナラークが繁殖牝馬となっており、「母の母の父ヤマニンゼファー」という馬も数年後には登場するはず。
残念ながらヤマニンゼファーの後継種牡馬は現れそうにないが、「ゼファー魂」は、母の血の中に脈々と受け継がれていく。
そういう意味で、母の父ヤマニンゼファーの馬が出走するときにも横断幕を出しているのではないか。
単純に、ヤマニンゼファー産駒の頭数が少なくなり横断幕を出す機会が減ってきたので、母の父ヤマニンゼファーの場合にも出すことにした、ということもあるかもしれない。
さて、横断幕がかかっていた理由は、二つのうち、どちらなのか。
もしかして、両方なのか。それとも全然別の理由なのか。
横断幕を掲げているご本人に直接確認したいという気持ちを抑えつつ、横断幕の出現と出走馬の関係を気長に検証していきたい。
追記
- 2009/02/21に、「ゼファー魂・続」を追加
- 2010/12/06に、「ゼファー魂・続続」を追加
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