冲方丁の奥さんと伊集院静の奥さん

最終更新時間:2010年06月15日 19時31分50秒

 「本の雑誌」に、休刊した「噂の真相」に連載されていた「文芸記者日記」がそのまま移籍してきたかのような、「文学賞記者日記」という連載がある。2010年6月号では、吉川英治賞の授賞式や、「天地明察」で新人賞をとった冲方丁の受賞を祝う二次会の模様がレポートされている。以下に、その二次会に「悠然と現れて場をさらった」という伊集院静のスピーチを引用する。ちなみに文中の「重松さん」とは吉川英治文学賞を「十字架」で受賞した重松清のこと。

「冲方丁という名前は何回言っても覚えられない。もうちょっとわかりやすい、浅田次郎とか渡辺淳一とかいうような名前にしてもよかったんじゃないか(笑)。
 『天地明察』は、最初の二ページを読んで、これは大丈夫だと思ったから、(候補作を読む順番の)最後に回したが、思ったとおり、たいへんよかった。文章に品性がある。それにユーモアがある。
 授賞式の時、家族みたいな席にきれいな女がいるなあと思ったが、いま聞いたら、女房だという。美人をもらうということは、将来、非常に苦労する。わたしも女優を嫁にもらって、ずいぶん苦労した(場内笑)。
 だけれども、苦労するというのは文学者にとっては非常にいいことだ。愛というのはいつか壊れるものだから……いや、テレビみたいな、洗濯機みたいなもので、たとえ壊れても──いや、電気製品とはちょっと違うな、そう、机みたいなもんで、きちんと補修すれば、ずっと使っていけるもんだから、心配しなくていい。
 しかしこれだけ背が高くて男前っていうのは──さっき、重松のお祝いの席で、やっぱり作家はぱっと見が悪いほうがいいかもしれないと言ったんだけど(笑)、重松さんや松本清張は、それだけのハンデを持ってがんばったんだよ(場内爆笑)──冲方さんはそのハンデがないぶんだけ苦労すると思う。
 だからね、奥さん、これから、いわれのない女が寄ってきたりすると思うから、気をつけなきゃいけない。作家にとっていちばん大切なのは、いわれなきものを得ないということです。自分で書いた作品以外、どんなものでも手にしてはいけない。
 聞くところによると、本屋大賞というのがあって、これが非常にいい賞らしい。きのう、角川の人と打ち合わせして、来年の本屋大賞を狙おうということになった。次は僕なんで、よろしくお願いします(場内拍手喝采)」

 冲方丁の奥さんって、そんなに美人だったっけ?どっかで見たような気が……と本棚を探っていくと、

「クイック・ジャパン」Vol.60に夫妻の写真が載っているのを見つけた。
 

 
 確かになかなかの美人。
 
 なお、言うまでもないことだが、伊集院静は前妻夏目雅子と死別後、篠ひろ子と再婚している。
 

 

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