草鹿法律事務所はどこにあるのか
「女弁護士・高林鮎子」は、日本テレビの今は亡き火曜サスペンス劇場で好評を博した、眞野あずさ主演の人気シリーズ。
草鹿達之介(丹波哲郎)がボスである草鹿法律事務所に所属する弁護士の高林鮎子(眞野あずさ)が、万年司法浪人で調査員の竹森慎平(橋爪功)とともに事件に挑んでいく。犯人が組み上げた、全国各地の鉄道、船舶、航空、バス、タクシーなど、ありとあらゆる交通機関を縦横無尽に駆使した壮大なアリバイ・トリックを、日本中に散らばる現場に出向いては、ホテルのレストランで時刻表をこねくり回しての机上検討、次の現場へ移動して、今度は駅前の喫茶店で時刻表を……これを延々繰り返しながら崩していくというのが毎度の筋立て。いろんな所を無駄にかけずり回るこの方法だと、ものすごく交通費がかかると思うのだが、依頼人は文句を言わないのだろうか(その依頼人が犯人だということも、ままありがちなのだが)。
私はこのシリーズが大好きで、今でも再放送があるたびに、たとえ見たことがある回であっても、ついつい見てしまう。
そんな私が前々から気になっていたのは、草鹿法律事務所はいったいどこにあるのか、ということ。
ウィキペディアの記事にもあるように、草鹿法律事務所は、ドラマ上の設定としては「東京都千代田区神田駿河台5丁目1番1号サンライトビル306号」にあることになっている(また、おぼろげな記憶によると、シリーズ後期には同じ千代田区の内幸町に移転しているはず)。
私が知りたいのはそんなことではなく、毎回必ずといっていいほど、依頼人が印象的な坂道をのぼってたどり着くシーンがある、あのビルは実際どこにあるのか、ということなのである。
下記は「女弁護士高林鮎子(10) 博多−札幌殺人ルート 完全無欠のアリバイに突破口を捜せ!」から、依頼人の姉弟が鮎子をたよって事務所を訪れるシーン。
ここから読み取れる、場所を特定するためのヒントは以下の通り。
- オレンジ色の車両から、すぐ横を走る路線はJR中央線である
- 坂をのぼったところでY字路になっている
- 画面からはなんと書いてあるのか読み取れないが、標識らしきものがあることから「○○坂」という名前がついている坂である
東京の地理に疎い田舎者で鉄道にも詳しくない私には、これだけのヒントでは、この場所を特定することができなかった。
少なくとも以前は。
今は、Googleをはじめとするさまざまなツールがある。これらを駆使することで、今回、私にもこの場所を特定することができた。
この場所の住所は「東京都千代田区神田駿河台2丁目11番地」で、坂の名前は「皀角坂(さいかちざか)」である。
ググってみると、以下のようなさまざまな皀角坂の写真を見つけることができる。
上記のシーンをこれらの写真と比較することで、この場所が皀角坂であることが確認できた。
それどころか、ストリートビューでその外見を確認することによって、ビルまで特定することができた。
東京デザイナー学院とアテネ・フランセの間にある(建物としては東京デザイナー学院と一体であるように見える)、GoogleMapやYahooMapで「お茶の水会館」と表示されているビルこそが、確かに「草鹿法律事務所」が入ってるサンライトビルである。
長年の疑問が解明されて、すっきりした。しかも、コンピュータをこねくり回すだけで、高林鮎子のように現地に赴くこともなく、当然ながら交通費ゼロで謎を解くことができたのだ。大満足である。
しかし、そうは言いながらも、いつかこの目で実際にこのビルを見てみたい、そのための交通費なら惜しくはないとも思う。
追記
2010/09/28に「草鹿法律事務所はどこにあるのか・続」を追加。
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