「拷問者の影」のカバー
最終更新時間:2008年05月17日 13時10分00秒
ジーン・ウルフの名作シリーズ「新しい太陽の書」が二十数年ぶりに新装されている。新装版は4月から順次刊行され、2008/04/23に第一巻「拷問者の影」が出たところ。
旧版のカバーイラストが天野喜孝なのに対し、新版は小畑健。「DEATH NOTE」や「ヒカルの碁」で知られる小畑だが、昨年集英社文庫「人間失格」のカバーを手がけ、話題になった。
さて「拷問者の影」だが、新装にともない他にもいくつか変更点が。
- 本文活字の大型化
- それにともなうページ数の増加(430→478)
- 訳者岡部宏之のあとがきがなくなり、代わりに柳下毅一郎の解説が追加
- 青背が黒背(書名金文字)に
ハヤカワ文庫SFなのに青背じゃない、というのも最近はかなりたくさんある。ムアコックの新装版だとかジョージ R.R.マーティンの諸作だとか。
「ケルベロス第五の首」や「デス博士の島その他の物語」で人気を得たところで、満を持しての新装という流れは、アルフレッド・ベスターの「虎よ、虎よ!」も同じ(「ゴーレム100」「願い星、叶い星」、生頼範義→寺田克也)。こちらでカバーの比較を行っている。
この流れでいくと、次はスタージョンの「人間以上」か?と思ったが、Amazonのカスタマー画像を見ると、すでに少なくとも一度はカバーの変更が行われている模様。私の記憶にあるのはこれなのだが、こんな画像が登録されているので。
いずれの場合も旧カバーの方を好ましく思うのは、おっさんのノスタルジーなんでしょうなあ。