日記/2008-10

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2008-10-31

「騎手&厩舎」馬券の実験/02

 

 というわけで、まんまと乗せられている感もあるが、実際に試してみることにする。
 着目するのは騎手と厩舎の組み合わせ、買う馬券は単勝と複勝と決め、以下のような条件で、有望な組み合わせをTARGETで調べてみた。

  • 過去3年間(2005/11/01〜2008/10/31)
  • 勝率10%以上
  • 単勝回収値110円以上
  • 複勝率30%以上
  • 複勝回収値120円以上

 前掲書で示されている「回収率150%を目標とする」という条件はなかなかに厳しいため、単勝で110円以上、複勝で120円以上へと、条件を緩和した。
 該当するレース数が多い順に10位まで並べると以下のようになる。

騎手・調教師1着数3着以上4着以下総レース数勝率複勝率単勝回収値複勝回収値
池添謙一・鶴留明雄247415422810.50%32.50%237127
田中勝春・古賀慎明26657814318.20%45.50%145139
橋本美純・大根田裕1130699911.10%30.30%116197
松岡正海・萩原清 1023446714.90%34.30%138137
吉田隼人・池上昌弘821396013.30%35.00%127162
長谷川浩・河内洋 818385614.30%32.10%131131
青木芳之・藤沢和雄1018355318.90%34.00%190129
藤岡佑介・岡田稲男817345115.70%33.30%209129
藤岡佑介・橋口弘次郎617335012.00%34.00%115134
中舘英二・加用正 719294814.60%39.60%147121
 総レース数の多さ、騎手と調教師のリーディング順位から、
池添謙一・鶴留明雄
田中勝春・古賀慎明
藤岡佑介・岡田稲男
藤岡佑介・橋口弘次郎
の組み合わせを採用することにする。
 なお、「池添謙一・鶴留明雄」と「田中勝春・古賀慎明」については、前掲書でも推奨されているが、「池添謙一・鶴留明雄」には「一番人気以外」、「田中勝春・古賀慎明」には「2頭出し」「連闘」「東京・新潟コース」という条件を追加してさらに絞り込め、と記してある。
 しかし、今回の実験では、まずは上記のような絞り込み条件を追加せず、騎手と厩舎の組み合わせという単純な条件のみで買い目を決めることにする(過剰な最適化を避けるため)。
 実験期間は、今年いっぱいの、2008年11月と12月の2か月。12月頭をチェックポイントととし、システムの修正はその時点で検討する。
 買う馬券は、単勝と複勝とし、常に同一金額(100円)を買うこととする。
 過去と同じ頻度で上記組み合わせが発生すると、2か月の間に約26回、馬券購入機会が訪れるはず。
 理屈通りだと、単勝は2600円購入して、払い戻しは4976円(約1.91倍)に、複勝は2600円購入して、払い戻しは3425円(約1.32倍)となるはず。
 しかしながら過去は過去。過去の回収率が100%を超えている組み合わせであっても、未来についてもそうなるということが保証されている訳ではない。
 果たして……。
 

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2008-10-30

「騎手&厩舎」馬券の実験/01

 

 ベスト新書の「予想力ゼロでも勝つ競馬投資入門」を読了。
 いろいろと問題のある本ではないかと思った。
 まず、全面に押し出されている監修者が「競馬に関してはさほど詳しいわけではない」こと。帯には「マネーウォーズの最先端を行く投資アナリストの馬券運用術」とあるが、「はじめに ― 監修者より」の章を読む限り、監修者は株式や債券の運用に忙しく、自分では馬券なんか全然買っちゃいない様子。先の「詳しいわけではない」というのも同章からの引用。
 監修者が書いてるのは、この「はじめに ― 監修者より」の章のみであり、実際にこの本を書いているのは、本書18ページに小さく、以下のように記されているとおり、

*本書の本文については、福島毅監修の下、月刊誌「競馬最強の法則」(弊社刊)
ライター武内一平が書き下ろしています。

あまり有名ではないライター。この武内一平という実際の執筆者の名前は、小さく書かれたこの一カ所にしかなく、あとはひたすら監修者の名前がプッシュされていて、裏表紙に記された赫々たる略歴も「競馬に関してはさほど詳しいわけではない」監修者のもの。
 これはいかがなものか。
 
 また、負けない方法として、以下のような「システム」が提案されている。

  • 回収率150%になる条件(騎手と厩舎の組み合わせなど)を見つける。
    • 過去100レースを調べ、回収率150%をクリアすればOK。
  • 的中率も重要。
    • 単勝なら15%、複勝なら30%程度は必要。
  • 後は機械的に該当する馬券を買い続ける。
    • 買うのは基本的に単勝か複勝。
  • 常に条件のチェックは怠らないようにする。
    • いわゆるPDCAサイクルを回す。

 これは、取り立てて目新しい提案ではない。過去、同様の提案は数ある類書でなされてきた。
 読者が知りたいのは、実際に運用されているシステムそれ自体の詳細なのではないか。
 本書でも、システム構築のためのヒントは記されているが、システムの実際についてはぼやかされている。実際のシステム運用時にはもっとも重要になると思われるマネーマネジメントについても、金丸式やマーチンゲール、ココモなどの有名な方法をさらっと紹介するだけ。
 執筆者自身が採用している条件は何か、その条件でどのような馬券を買い、その払い戻し金を次にどうしたのか、ある程度の期間中、どのようにシステムを運用したのか。それが知りたい。
 確かに数枚の的中馬券は掲載されてはいるが、それがシステム運用においてどのように位置づけられたものなのかは分からない。極端な話、システムとは無関係に、たまたま的中した馬券かもしれない。
 これでは、果たして執筆者が実際に、本書に書かれているような「システム」を運用しているのか、はなはだ疑わしい。
 それ書いちゃうとみんながマネして自分が儲からなくなるから書かない、ということかもしれないが、それならそもそもこんな本なんか書かなければよろしい。
 

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2008-10-28

時代でたどるSF小説60冊

 

esquire0810.jpg
 エスクァイア日本版2008年10月号の「SF再読。」という特集の「未来への扉という名の文学史。」というサブタイトルのついた「時代でたどるSF小説60冊。」をリストにしてみました。
 選者はそれぞれ、1900-'40は永瀬唯、'50-'70は若島正、'80-'90は巽孝之、2000-は小川隆。
 リストの半分も読んでませんが、セレクトの加減もあるので、これくらいの既読率でもまあいいか、と自分を慰めています。
 セレクトの加減については、60年代、70年代の日本SFをリストに入れてもよかったんじゃないかと思いますが、この年代は選者が若島正なんでしょうがないか……。
 各ページには該当する書籍のAmazonでの書影と、著者名でのAmazon、Yahoo!での検索結果を記しておきました。

番号 作品 著者 出版社 発表年
時代でたどるSF小説/1クトゥルー H・P・ラヴクラフトほか 青心社 1920
時代でたどるSF小説/2われら ザミャーチン 岩波文庫 1921
時代でたどるSF小説/3火星のプリンセス エドガー・ライス・バローズ 創元SF文庫 1917
時代でたどるSF小説/4すばらしい新世界 オルダス・ハックスリー 講談社文庫 1932
時代でたどるSF小説/5金属モンスター エイブラム・メリット 早川書房 1932
時代でたどるSF小説/6シャンブロウ C・L・ムーア 論創社 1933
時代でたどるSF小説/7スターメイカー オラフ・ステープルドン 国書刊行会 1935
時代でたどるSF小説/8山椒魚戦争 カレル・チャペック 岩波文庫 1936
時代でたどるSF小説/9銀河パトロール隊 E・E・スミス 創元SF文庫 1937
時代でたどるSF小説/10ヴィーナスへの旅 ペレランドラ C・S・ルイス 原書房 1938
時代でたどるSF小説/11デリラと宇宙野郎たち R・A・ハインライン ハヤカワ文庫 1939
時代でたどるSF小説/12われはロボット アイザック・アシモフ ハヤカワ文庫 1942
時代でたどるSF小説/13超生命ヴァイトン エリック・フランク・ラッセル 早川書房 1943
時代でたどるSF小説/14銀河帝国の崩壊 アーサー・C・クラーク 創元SF文庫 1948
時代でたどるSF小説/151984年 ジョージ・オーウェル ハヤカワ文庫 1949
時代でたどるSF小説/16虎よ、虎よ! アルフレッド・ベスター ハヤカワ文庫 1956
時代でたどるSF小説/17人間以上 シオドア・スタージョン ハヤカワ文庫 1953
時代でたどるSF小説/18ソラリス スタニスワフ・レム 国書刊行会 1961
時代でたどるSF小説/19時計じかけのオレンジ アントニイ・バージェス ハヤカワ文庫 1962
時代でたどるSF小説/20結晶世界 J・G・バラード 創元SF文庫 1966
時代でたどるSF小説/21バベル-17 サミュエル・R・ディレイニー ハヤカワ文庫 1966
時代でたどるSF小説/22柔かい月 イタロ・カルヴィーノ 河出文庫 1967
時代でたどるSF小説/23危険なヴィジョン 1 ハーラン・エリスン ハヤカワ文庫 1967
時代でたどるSF小説/24スローターハウス5 カート・ヴォネガット・ジュニア ハヤカワ文庫 1969
時代でたどるSF小説/25ユービック フィリップ・K・ディック ハヤカワ文庫 1969
時代でたどるSF小説/26九百人のお祖母さん R・A・ラファティ ハヤカワ文庫 1970
時代でたどるSF小説/27ケルベロス第五の首 ジーン・ウルフ 国書刊行会 1972
時代でたどるSF小説/28火星年代記 レイ・ブラッドベリ ハヤカワ文庫 1950
時代でたどるSF小説/29所有せざる人々 アーシュラ・K・ル=グィン ハヤカワ文庫 1974
時代でたどるSF小説/30エンジン・サマー ジョン・クロウリー 福武書店 1979
時代でたどるSF小説/31幻詩狩り 川又千秋 創元SF文庫 1984
時代でたどるSF小説/32ニューロマンサー ウィリアム・ギブスン ハヤカワ文庫 1984
時代でたどるSF小説/33悪魔の機械 K・W・ジーター ハヤカワ文庫 1987
時代でたどるSF小説/34黒い時計の旅 スティーヴ・エリクソン 白水uブックス 1989
時代でたどるSF小説/35ハイブリッド・チャイルド 大原まり子 ハヤカワ文庫 1990
時代でたどるSF小説/36ディファレンス・エンジン ウィリアム・ギブスン、ブルース・スターリング ハヤカワ文庫 1990
時代でたどるSF小説/37空洞地球 ルーディ・ラッカー ハヤカワ文庫 1990
時代でたどるSF小説/38GOJIRO マーク・ジェイコブスン 角川書店 1991
時代でたどるSF小説/39終わりなき索敵 谷甲州 ハヤカワ文庫 1993
時代でたどるSF小説/40デッド・ガールズ リチャード・コールダー トレヴィル 1994
時代でたどるSF小説/41ムジカ・マキーナ 高野史緒 ハヤカワ文庫 1995
時代でたどるSF小説/42奇術師 クリストファー・プリースト ハヤカワ文庫 1995
時代でたどるSF小説/43BRAIN VALLEY 瀬名秀明 新潮文庫 1997
時代でたどるSF小説/44ノービットの冒険 パット・マーフィー ハヤカワ文庫 1999
時代でたどるSF小説/45宇宙消失 グレッグ・イーガン 創元SF文庫 1992
時代でたどるSF小説/46啓示空間 アレステア・レナルズ ハヤカワ文庫 2000
時代でたどるSF小説/47天使と悪魔 ダン・ブラウン 角川文庫 2000
時代でたどるSF小説/48スペシャリストの帽子 ケリー・リンク ハヤカワ文庫 2001
時代でたどるSF小説/49太陽の簒奪者 野尻抱介 ハヤカワ文庫 2002
時代でたどるSF小説/50シンギュラリティ・スカイ チャールズ・ストロス ハヤカワ文庫 2003
時代でたどるSF小説/51あなたの人生の物語 テッド・チャン ハヤカワ文庫 2002
時代でたどるSF小説/52きみがぼくを見つけた日 オードリー・ニッフェネガー ランダムハウス講談社 2003
時代でたどるSF小説/53くらやみの速さはどれくらい エリザベス・ムーン 早川書房 2003
時代でたどるSF小説/54裸者と裸者 打海文三 角川文庫 2004
時代でたどるSF小説/55象られた力 飛浩隆 ハヤカワ文庫 2004
時代でたどるSF小説/56終わりの街の終わり ケヴィン・ブロックマイヤー ランダムハウス講談社 2006
時代でたどるSF小説/57復活の地 小川一水 ハヤカワ文庫 2004
時代でたどるSF小説/58バスジャック 三崎亜記 集英社 2005
時代でたどるSF小説/59エア ジェフ・ライマン 早川書房 2005
時代でたどるSF小説/60わたしを離さないで カズオ・イシグロ 早川書房 2005


2008-10-16

中野538号とバビロニア・ウェーブ

 

 今日の午後、テレビ朝日で再放送されていた刑事ドラマ「相棒」「正義の翼」というエピソードでした。この回には、「中野538号」という血統の伝書鳩が登場します。
 この「中野538号」という名前を聞いて、「嘘の五三八」という言葉を思い出しました。これは

人間、適当に数字をでっち上げる時には、なぜか、5、3、8、を使ってしまう

ということ。この話自体、けっこう嘘っぽいのですが(ググって見つけたこちらや、こちらには、やれ経験則だ、やれ三河八部衆だ、などとそれっぽいことが書いてはありますが……)、言われてみればそんな気もする、という程度の信憑性はあるように思います。
 ただし、この「中野538号」は、「嘘の五三八」を踏まえ、わざと、「538」という数字を使っているのでしょう。「『中野538号』なんていう伝書鳩は、実際にはいませんよ。嘘ですよ」と、あからさまに示しているわけです。

 堀晃の「バビロニア・ウェーブ」という小説には、タイトルにもなっている「バビロニア・ウェーブ」という、銀河を貫く謎の巨大レーザー光束が出てきます。
 その全長、なんと5380光年。
 この小説はバリバリのハードSFなので、なにかしら科学的な根拠があって、この数字が選ばれているのかと思いきや、これまた「嘘の五三八」からとられています。堀晃自身がどこかでそう書いてました。「山下洋輔から『嘘の五三八からとったんでしょ?』と指摘された」とも書いてあったような気が。
 
 しかし、この「嘘の五三八」、どの程度の信憑性がある話なんでしょうか。上記でリンクしたサイトでは、ある程度の調査も行っています。確かにそれらしい結果になっていますが、どうも設問が適切でないような気もします。「0」や「1」や「2」の頻度も高いし。
 誰かきちんと調べた人いないのかなあ……。